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巻き爪

巻き爪とは

巻き爪とは 「巻き爪」とは、足の爪の両端が、内側に向けて巻いている状態を指します。痛みがあるとは限りません。
よく似たものに「陥入爪」があります。こちらは、足の爪が近くの皮膚に食い込んで炎症や痛みがある状態を指します。爪が巻いているかどうかは関係ありません。
ただ、巻き爪と陥入爪はしばしば合併します。爪が巻いていると、どうしても皮膚に食い込むことも多くなるためです。

巻き爪の原因

先の細い靴

先の細い靴を履くと、足の爪が圧迫されます。また、指の1本1本でしっかりと地面を踏みしめる・蹴り出すことが難しくなります。
この2つの要因が重なることで、巻き爪となります。先の細い靴は、巻き爪の代表的な原因です。特にハイヒールは、巻き爪のリスクが高くなります。

深爪

歩行には、指先で地面を踏みしめ、蹴り出す動きが伴います。この動きによって発生する力を受け止めてくれているのが、足の爪です。
深爪をすると、下方からの力を爪で受け止めきれずに、巻き爪の原因になることがあります。

歩き方

つま先が外側を向くなど、正しい歩き方ができていないと、足指に適切な力がかからず、巻き爪の原因になることがあります。

巻き爪は何科を受診?

2階受付皮膚科、形成外科などで診断・治療が受けられます。
炎症が強く出ている場合には皮膚科を、爪の変形が強く出ている場合には形成外科を受診することをおすすめします。どちらでないといけないということはありませんので、信頼できる医療機関を選びましょう。
もちろん、当院でも承っております。

当院で行う巻き爪の治療

巻き爪マイスター®

爪に超弾性合金ワイヤを装着し、どのような力学的作用が発生するかを有限要素法で解析した上で、巻き爪の改善を図ります。

有限要素法について

有限要素法とは、物体を細かく分割したモデルへと置き換え、条件を与えた上で再構成させ、全体で働く力、変形(ひずみ)などを計算する方法です。

上図のように、患者様の爪を細かい立体(要素)に置き換えて分割し、それぞれの立体に働く力、変形(ひずみ)などを算出します。その上で立体を集めて再構成することで、正確な結果を得ることが可能になります。

結果:爪に生じる変形の割合

・爪の中心~側縁付近まで均一な変形(ひずみ)が生じていることから、爪の側縁まで、矯正力が働くことが期待できます。
・爪近位部にも変形が生じてることから、近位部でも矯正効果が得られると予想できます。

爪の変形結果

・巻き爪マイスターは、巻き爪遠位部にほとんど均一の、外側に向けた変形(ひずみ)が生じるため、自然な形での矯正が可能です。
※矯正の様子が分かりやすいよう、変形倍率を5倍にしています。

巻き爪マイスターの構造

超弾性合金ワイヤを内蔵したコイルばねになっています。ワイヤの弾性を利用して、巻き爪を矯正します。

正しい装着図

サイズバリエーション

4種類のサイズバリエーションがあり、彎曲に沿った爪の横幅(下図a)によって選択します。

SSサイズ 14-16mm

Sサイズ 17-19mm

Mサイズ 20-22mm

Lサイズ 23-25mm

目安として、彎曲に沿った爪の横幅(図のa)が14-16mmの方はSSサイズ、17-19mmの方はSサイズ、20-22mmの方はMサイズ、23-25mmの方はLサイズを選択してください。
*装着には専用工具が必要です。
*医療機関において、医師の指示のもと、医療担当者が装着してください。
*爪の横幅が14-25mmの範囲を大きく外れる場合は装着いただけません。
*測定用のシールが巻き爪マイスター購入時に1シート同封されています。

装着例、装着に注意を要する爪

巻き爪の程度や形状は、症例によって様々です。巻き爪マイスターによる矯正治療を行う場合には、装着に適した爪かどうかを見極めることが重要となります。

巻き爪マイスターの装着例

上手な装着のポイント

爪幅に合った推奨サイズを選択してください。
爪の側縁(Uフック固定部)に付着した角質を、鑷子などを用いて十分に除去してから装着してください。
巻き爪マイスターを破損させず確実に装着するために、必ず専用工具(別売)を用いるようにしてください。
Uフックの奥まで爪が入り込んだ状態で、Uフックを閉じて固定してください。

上手な装着のポイント

Uフックは爪の彎曲の強い側を先に引っかけることで、簡単かつ迅速に、巻き爪マイスターを装着することができます。

装着に注意を要する爪

陥入症状を伴っている場合

症状を悪化させるおそれがありますので、皮膚の損傷面(びらん・潰瘍面や炎症の強い部位など)に接触する可能性がある場合は装着を控え、損傷面の治療を優先してください。

爪白癬を合併している場合

白癬菌の感染によって脆弱化した爪が割れて(欠けて)しまうことがあります。

爪の厚みが薄い場合

Uフックの固定時に作用する強い力で爪が割れて(欠けて)しまうことがあります。

爪に亀裂が入っている場合

巻き爪マイスターの装着中に爪の亀裂が拡大して、爪が割れて(欠けて)しまうことがあります。

費用

初診時

内容 費用(税込)
診察+矯正具 10,000円
診察+矯正具+爪を柔らかくするお薬 15,000円

再診時(1週間~1か月後※症状によります)

内容 費用(税込)
診察+矯正具の調整 4,000円

よくある質問

巻き爪マイスターを使った治療は、保険診療となりますか?

現在のところ、保険診療ではなく、自費診療となっています。

装着中、注意することはありますか?

寝ている間や靴下の脱ぎ履きの際の脱落を防ぐため、医療用テープなどを用いて保護・固定することをおすすめします。皮膚・靴下・ストッキングが傷つくことの予防にもなります。テープは入浴時などに取り替え、患部の清潔を保ちます。

有害事象、不具合が発生することはありますか?

【有害事象について】既存の超弾性合金ワイヤを使った治療において、爪甲の破損が報告されています。本製品でも同様の破損、また出血、爪の変形が起こる可能性があります。臨床試験は実施されていないため、頻度は不明です。
【不具合について】過度な力がかかることで、Uフックの接合部の破損、製品の変形が起こる可能性があります。

超弾性合金ワイヤは、どれくらいで交換しますか?

2週間から3カ月の連続装着が想定されています。爪が伸びてきても、ワイヤの留置に問題がなく、マイスターエイド(別売)などで爪の根元側にスライドすれば、爪を切った上で、引き続きの使用が可能です。

再使用できないのは、なぜでしょうか?

装着の際には、Uフックを潰す必要があります。再使用した場合、Uフックが破損してしまうことがあるため、原則として1回きりの使用となっています。何らかの原因で外れてしまい、再装着することもありますが、その場合も破損等がないことを十分に確認する必要があります。

どのような巻き爪が適応となりますか?

巻きが軽度~重度の爪だけでなく、側縁近くで急激に曲がっている巻き爪(ホチキスの芯型)まで、幅広く適応となります。なお、爪の薄い方は、装着が難しかったり、装着時に爪が割れてしまうことがあるため、注意が必要です。
適応外となるのは、以下のケースです。
・脆弱化している爪
・周囲に強い炎症がある爪
・本製品が傷ついた皮膚に触れる場合

装着後、伸びてきた爪は切っていいのでしょうか?

ワイヤを爪の根元側にスライドさせていただければ、装着中でも切っていただけます。不安な場合には、当院で切ることも可能です。お気軽にご相談ください。