肝斑って何？できる原因は？
顎、両頬、鼻下などに生じる薄茶色の色素斑を肝斑と呼びます。同じ形・大きさ、左右対称に生じる傾向にあります。よくあるシミ（老人性色素斑）はくっきりした輪郭が特徴ですが、肝斑は境界が不明瞭な形をしています。30代後半～50代の、ホルモンバランスが乱れやすい更年期の女性が発症しやすい傾向にあります。極稀に男性が発症するケースもあり、肝斑が生じるメカニズムは完璧には分かっていません。
大きなストレス、妊娠・出産、避妊薬の使用などによって女性ホルモンが乱れることが原因となる傾向にあり、30代以降で患者様の数が増加しますが、閉経を機に徐々に目立たなくなっていき、自然と消える方もいらっしゃいます。
肝斑の見た目は？
シミとの見分け方
肝斑の特徴をあらかじめ理解しておくと、見た目から相応に判断することもできます。
なお、自己判断でスキンケアをするよりは、専門医に相談し適切なケア・治療を受け、しっかりと治すことが重要です。
左右対称かどうか
シミが左右対称に生じている場合、肝斑の疑いが強まります。
なお、ADM（後天性真皮メラノサイトーシス）も左右対称に生じるという特徴があり、正確な鑑別が必要です。
形
楕円形の形状で、境界が不明瞭なシミが生じます。
境界が明確なものは。老人性色素斑の疑いが強まります。
できる場所
目尻や頬骨の周辺に生じる傾向があります。なお、鼻下、額、口元に生じることもあり、必ずしも規則性がある訳ではありません。
当院で行う肝斑の治療
エレクトロポレーション
皮膚に弱めの電流を流し、トラネキサム酸やビタミンＣなどの美容成分を肌の深層に注入する治療です。塗布するよりも浸透率が数十倍高く、肝斑が治りやすいとされています。
ビタミンＣ点滴：
ビタミンC7000mg +トランサミン(肝斑)
ビタミンCは体内で強力な抗酸化作用をもたらし、エイジングケア、美白といった美容効果、動脈硬化などの複数の疾患の発症防止・機能改善が大きく期待できます。
また、肝斑、シミ、乾燥肌などの解消にも有効です。
ピーリング
当院のサリチル酸マクロゴールピーリングでは、古い角質を取り除くことが可能です。肝斑はメラニンが皮膚の奥深くに残った状態であり、サリチル酸ピーリングで古い角質を取り除くと、溜まったメラニンを排出することに繋がります。また、サリチル酸によって毛穴の詰まりや皮脂を除去することも可能であり、肌の新陳代謝も向上することで、肝斑の改善・縮小も見込めます。
肝斑治療に有効なトラネキサム酸1500mg（市販薬の2倍）が含まれています。肝斑を自分で治すために
できること
日焼けしないようにする
紫外線を浴びるとメラニン生成が促され、肝斑などのシミが生じやすくなります。
天候や季節を問わず、外出の際は紫外線対策を徹底しましょう。具体的には、日傘、サングラス、帽子、日焼け止めクリーム、マスクなどが有効です。また、紫外線を防止する衣服を着用することもお勧めです。
ビタミンCを摂取する
ビタミンCにはメラニン色素の抑制効果があります。また、メラニンにダイレクトに働きかけ、抗炎症作用、抗酸化作用、色素を薄くする効果も持っています。
キウイ、アセロラ、ブロッコリー、ピーマンなどのビタミンＣが豊富に含まれる食品の摂取、もしくはサプリメントの服用によって、足りないビタミンＣを補充しましょう。
ビタミンC誘導体配合の
市販商品を使う
ビタミンＣ誘導体が含まれるスキンケア用品には、そこまで高額ではないものも売っていますので、量を気にせず使って頂けるものもあります。
特に、高い保湿効果があり刺激が少ないものが良いでしょう。